カーリースを利用している人の多くが、
5年~9年の長期契約をしています。
しかし、いざ契約したものの、
「できるだけ早く解約したい!」
となってしまうことってあると思います。
結果から先に言いますと、
まったくお金をかけずに解約するのはむずかしいです。
それと同じなんじゃよ。
解約時に発生するかもしれない料金
- 解約金
- 違約金
- 精算金
カーリースを途中で解約する場合は、
パターンによって支払う金額が変わってきます。
この記事では、そんなカーリースの
わかりづらい解約金について、現場のプロが徹底解説していきます。
解約の流れと手順を解説

解約する理由TOP3
- 経済的な理由で支払えなくなった
- 車を全損させてしまった
- 利用してみて解約したくなった
解約にはいろいろな理由がありますよね。
では、そもそもカーリースを解約したい場合は
どのように行動したらいいのでしょうか。
解約申し入れをする
カーリースは基本的に、中途解約ができません。
「えっ!?じゃあ意味ないじゃない!」と思いますよね。
ポイントは、「基本的に」ということ。
実は、利用を終了したいのに
「解約できません」と突っぱねるようなことは、
日本の企業はできないのです。
「基本的にできない」ということにして、
違約金や中途解約金を支払えば、
契約解除できるようにしています。
解約処理は審査会社が行う
カーリースは、利用時に審査があります。
別の記事でも書いたのですが、
カーリースの多くはクレジットカード会社の審査を通します。
- セディナ
- オリックス
- オリコ
この3つは一例ですが、
多くのカーリースがこの3社の審査を通しています。
そして解約手続きも、審査を行った会社と進めるのが一般的です。
カーリース会社が車を回収する
解約の申請をした場合、
カーリース会社があなたの車を回収、査定を行います。
カーリース契約では、
全損の場合も車は回収となりますので、注意してくださいね。
ここでキズ、凹み、走行距離などから車の価値を査定します。
この査定で出た金額を残価にあてて、
精算金を確定させるのですが、計算式は以下の通り。
リース料精算額の計算式
(未払い利用料 + 遅延損害金)+ 残り期間のリース料 + 残価 + 事務手数料 ー 車両 ー 過払分の税金 ー 査定額 = 精算額
各リース会社によって査定を行いますので、加算・減算の方法はは異なります。
ですが、この計算式で大体の違約金を計算することが可能です。
参考:オリコオートリースの査定方法
残存価格の設定 | 株式会社オリコオートリース
ただし、以下の費用等はお客さまのご負担となります
- 契約走行キロを超過した場合の超過精算金(1キロメートルあたり15円)
- 内外装のキズ、へこみ、サビ等の原状回復費用
- お客さまの故意または過失に起因する修理等の費用
- 事故・塩害・悪臭の残留等によりリース車両の価値が減少した場合の損害額
参考:オリックス・オートリースの査定方法
オリックス『いまのりセブン』重要事項説明書
https://www.carlease-online.jp/jyusetsu/seven_01.pdf
(↑PDFファイルにつき自己責任でアクセスをお願いします)
2. キズの評価および精算金等の算出方法 お客様ご負担となる精算金は、前項の査定評価に基づき、下記のとおり算出します。
① 査定減額 ={(内外装の損傷による減点(*1)×車両クラス係数×経過年係数(*2))+商品価値減点(*3)}×1,000円
*1 みがき、クリーニングの減点は除く。*2 車両クラス係数:軽乗用車0.7、小型乗用車0.8、2000cc以上乗用車1.0~2.2など車種により異なる。経過年係数 :0~3年まで1.0、4年0.9、5年0.8、6年以上0.7*3 事故修復歴があることによる減点など。ただし、走行距離による減点は除く。
② 基準走行距離の超過による損害金リース契約が解除された場合(ただし、規定の損害賠償金をお支払いいただいた場合を除く)、または中途解約の場合において、自動車をご返却いただいた時点での総走行距離が、下記記載の算出方法にて計算された走行距離(以下基準走行距離)を超過した場合は、基準走行距離を超えた走行距離1kmにつき8円の過走行損害金をお支払いいただきます。
記【基準走行距離に関する計算方法の表示】基準走行距離 = 経過月数×2,000km3 (2017.06)(経過月数は1カ月単位とし、1カ月に満たない場合は切り上げて計算いたします。)
③ 精算金の合計額 = ①の査定減額 + ②の過走行損害金額 - 以下の免責金額
免責金額の基準解約の種類 免責金額中途解約の場合 10万円中途解約後、弊社商品でお乗換えの場合 20万円
解約書類を書く、車両代を精算をする
各リース会社により解約書類が届きますので、
記入をして返送してください。
計算式から、
マイナスが出た場合は、あなたがリース会社に不足分を支払います。
プラスが出た場合は、リース会社よりあなたへ返金があります。
お金のやりとりがおわった時点で解約完了となります。
解約時の違約金について解説

先ほどの解約金とは別に、
契約満了時と中途解約時には違約金が発生する可能性があります。
どんな違約金があるのか、
どのくらい費用がかかるのかを解説します。
走行距離オーバー
カーリースは契約時に
毎月どの程度走行するか予定走行距離を申告します。
その距離をオーバーして走り続けた場合、
返却時に各リース会社の規定により違約金が発生します。
規定は各社異なります。
今回はオリコオートリースとオリックスを例にします。
オリコオートリースの走行距離オーバー違約金
①契約走行キロを超過した場合の超過精算金(1キロメートルあたり15円)
オリックス・カーリースの走行距離オーバー違約金
走行距離(以下基準走行距離)を超過した場合は、基準走行距離を超えた走行距離1kmにつき8円の過走行損害金をお支払いいただきます。
- 違約金 オリックスは1kmで8円
- 違約金 オリコオートリースは1kmで15円
オーバーが1kmだけなら15円ですが、
これが100kmなら1500円、1,000km、5,000kmなら…?
そう考えると、契約時の走行距離は余裕を持って設定したほうが、
解約や契約終了時に違約金が発生するのを防止することができます。
走行距離の違約金については、
- 「もらえるプラン」のあるカーリースで契約する
- 最後に車を買い取る
どちらかの方法で回避することが可能です。
大きなキズ、凹みをつけてしまった
カーリース契約期間中に車体にキズ、凹みをつくってしまっても、
リース会社へ報告する義務はありません。
小さな傷、こすれなどはある程度ついてしまうものとして、
あらかじめ計算されています。
しかし、大きなキズや凹みは
契約終了の時にチェックされて、
修理費を請求されてしまうので注意です。
もし、キズや凹みを作ってしまい、
念のためリース会社に確認を取ると以下の手順で処理をします。
- リース会社に報告
- 自己負担(任意保険)を使って板金屋さんなどで修理
- 修理完了報告
キズなどを報告せじ、隠していても
特に違約金はありません。
しかし、返却時に修理費用は請求されてしまいますので、
それなら町の板金屋さんなどで安く修理してもらうほうがいいでしょう。
もし修理代が用意できるか不安な人は、
カーリース契約時に任意保険に加入してくと
修理費用をカバーできるのでおすすめです。
カーナビ設置、カスタマイズなどの原状回復
カーリース契約時にオプションのカーナビを付けない場合。
後付するのであれば、返却時には原状回復が必要になります。
この場合は、ナビを取り外して返却すれば問題ありません。
もちろん、車を買い取る場合は外す必要がありません。
返却の場合は自己負担で撤去する必要がありますので注意してください。
もし、忘れたまま返却した場合は
リース会社で原状回復修理を行い、
あなたに費用を請求をすることになります。
その場合は、町の車屋さんでお願いするよりは
費用は高くなると思ったほうがいいです。
もし、純正カーナビ契約時に利用せず、
あとで自分でつける場合は、車載可能なポータブルタイプのカーナビや、
スマホで代用するなどしましょう。
それ以外のカスタマイズ(ホイールの履き替えなど)は
すべて原状回復したうえで返却できるのであればOKです。
出来ない場合は、原状回復費の他に
査定が下がったということで追加金を請求される可能性があります。
先ほども書きましたが、
最終的に車を買い取る、「もらえるプラン」に加入する
どちらかの選択をしておけば、原状回復の必要はありません。
解約金が支払えない場合はどうしたらいい?
- 「そんなにお金がかかるとは聞いていなかった!」
- 「解約金、違約金を払いたくない!」
という方もいますよね。
もし、あなたが説明を受けていないことを、
録音など物理的に証明できれば交渉の予知はあるかもしれません。
ですが基本的には解約金や違約金を、
踏み倒すことは不可能です。
最終手段としては3つあります。
キャッシングで一時的にお金を作る
解約金は一括払いなので、避けようがありません。
どうしても手元にお金がない場合はキャッシングが有効です。
お金を借りて、分割でコツコツ返済していく方法です。
ローンを1本化して支払う


支払いができない場合、
複数のローンを抱えていることが多いです。
そのローンを1本化して、
無理なく毎月返済していくという方法もあります。
最終手段:債務整理をする
債務整理と聞くとギョッとするかもしれませんが、
自己破産ではないです。
その名の通り、債務(借金)を整理するのが目的です。
カーリースの利用料や、
違約金などの支払いについて整理して支払えるようにするのが
債務整理の役割です。
例えば、借りているお金の金利を引き下げたり、
分割で3年~5年で支払えるようにしたり。
そうした完済に向けてポジティブに行動することを債務整理といいます。
デメリットとして、金融機関などの信用情報に
債務整理をした記録が残ってしまうので5年間はクレジットカードなどを作るのが難しくなってしまいます。
ただ、何もせずに自己破産など最悪のパターンになるよりは
一度相談してみるのが良いと思います。
もちろん、債務整理の相談は弁護士さんも無料で受けてくれます。
まとめ
カーリースの解約について書いてきました。
最後に、おさらいです。
- カーリースは解約可能
- 解約にかかるコストは予想可能
- 支払えない場合はブラックリスト入りも
- 支払えない場合はまず相談しよう!
- 契約前の月払い設定は慎重に
手軽に乗ることのできるカーリースですが、
解約となるとかなり体力を使ってしまいます。
支払えなくなってしまう状況というのは、
ある意味誰にでも起こり得ることだと思います。
少し状況が変わっても、
リースの車は借り物なので資金にすることができません。
あらかじめ、余裕で支払える金額で契約するこをとおすすめします!